登録: 2009年 4月 13日

真空式下水道システムについて

真空式下水道システムについて(松伏町 内前野地区)

 

●真空式下水道システムの原理●
 下水管路は通常、下流側へ向かって勾配をもたせ、汚水の重力を利用し自然流下させることで搬送・収集します。これを自然流下方式といいます。これに対して、真空式下水道システムは、例えていえば、大きな掃除機(真空ポンプ場)で真空を発生させ、この真空度と大気圧との差圧を利用して強制的に集水する方式です。
 家庭から排出される汚水は、自然に流下し、真空弁桝に集まります。桝内の水位が上昇すると真空弁の制御機構がこれを検知して弁が開き、桝内にたまった汚水は空気と一緒に真空下水管に吸い込まれます。管内の汚水は膨張する空気に押し出され、混相流となって真空ポンプ場に運ばれます。この汚水は真空ポンプ場の集水タンクにたまると圧送ポンプで公共下水道幹線に送られます。
 真空式下水道システムは真空圧による強制搬送であり、自然流下方式のように下流向きに続く下降勾配を必要とせず、逆勾配でも集水できるシステムです。そのため、管きょを浅く埋設したり、管径を小さくできることから、狭い路地などでも施工は容易になり、工期や工事費が削減されます。
 さらに、電力は真空ポンプ場だけに供給すればよい点や、万一真空下水管が破損しても軽微な場合であれば汚水が外部に漏れない点なども、このシステムの特長です。
 松伏町では、内前野地区14.9haにおいて、真空式下水道システムを採用しています。

真空式下水道システム


●真空ポンプ場(内前野真空ステーション)●
 場内には、真空圧を発生させる「真空ポンプ」、汚水を集める「集水タンク」、集めた汚水を汚水管きょへ送る「圧送ポンプ」、それらを制御する設備などが設置されています。

 

●真空下水管●
 真空を利用して汚水を搬送する管きょをいいます。本管、枝管および接続管からなっています。
 軟弱な地質のところに設置されることが多いため、地盤の挙動変異や不当沈下に柔軟に対処することができるポリエチレン管が使われています。管の継手には電熱線が内蔵されており、管を挿入した後にコントローラーから通電して電熱線を発熱させることで、継手と管は融着されます。写真に写っている電気コードはそのためのものです。

 

●汚水の流れ●
 汚水は、一気に真空ポンプ場へ流れ込むのではありません。真空下水管の中を、段階を追って次のように流れていきます。
1 真空下水管は下り勾配がついているので、自然に次のリフト下部まで流れ込み、そこに溜まります。
2 真空弁が作動して空気が吸い込まれ、その空気が膨張します。
3 汚水は混相流となってリフトを越えていきます。この繰り返しによって、汚水は真空ポンプ場まで運ばれます。

真空ポンプ場、真空下水管、汚水の流れ


●真空弁桝●
 真空弁、汚水吸込管、水位検知器などを一つの躯体(くたい)の中に設置し、底部には汚水だまりがあります。

 

●通気管●
 真空弁から吸引する空気を取り入れるとともに、宅地内の排水設備のトラップに悪影響を与えることを防ぐため、1軒ごとに通気管を設けることとしています。

真空弁桝、通気管

まちづくり整備課 下水道担当  お問合わせ

電話番号 048-991-1844

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