更新: 2022年 4月 22日
松伏町教育委員会教育長 岡田直人です。
はじめに、町民の皆様には日頃より松伏町の教育行政にご理解をいただくとともに様々な形でご協力いただいておりますことに感謝申し上げます。
さて、令和4年度がスタートしました。やはり心配なことは新型コロナウイルス感染症です。小中学校については約2週間の春休みで子供たちの感染が切れることを期待していましたが、新学期早々予想以上の感染者の報告を受けています。令和4年度も、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けながらの教育行政になりそうです。教育委員会では継続して感染防止に取り組みながら、松伏町の教育行政目標である「豊かな文化の担い手と思いやりのある心をはぐくむ松伏の教育」の具現化を目指し取り組んでまいりたいと存じます。
学校教育については学習指導要領に基づき、教科等の特質や児童生徒の実情を踏まえながら「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実し、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を進めてまいります。
また、埼玉県教育委員会はこれまでの埼玉県学力・学習状況調査の分析結果として、「主体的・対話的で深い学び」の実施に加えて、よい「学級経営」が子供の「非認知能力」「学習方略」を向上させ、子供の学力向上につながると発表しました。児童生徒の成長は、所属する集団の人間関係がどのようなものであるかによって大きく左右されるということです。児童生徒の学校生活の母体は学級ですので、よりよい学級をつくることが重要となります。児童生徒と教師、児童生徒相互の信頼関係に基づいた豊かな人間関係を基盤とした学校教育を推進してまいります。
松伏町の学校教育の課題として、全国や埼玉県一斉の学力・学習状況調査において各教科の正答率が平均に届かないことがありますが、中学校の不登校生徒の割合の高さも大きな課題であると捉えています。子供たちの多様性を認める中で学ぶ場は学校だけではないものの、義務教育の最後を不登校のまま迎えることは避けなければなりません。不登校を無くすためには各学校での取組みを充実させるとともに、適応指導教室、さわやか相談室、スクールソーシャルワーカー及びスクールカウンセラーの活用と連携を高めていくことが重要です。
また、特別支援学級に在籍する児童生徒が増加しています。これは、通常学級に在籍しているが発達障がい等の疑いがあり特別な支援を必要としている児童生徒が増えていることにもつながります。これまで以上に特別支援教育への理解とその充実が求められます。
不登校や特別な支援を要する児童生徒への支援で重要なことの一つに、小学校と中学校の連携があります。小中学校の連携をより深めていく努力をしていきたいと考えています。
そして、これからの子供たちの学びの中で、GIGAスクール構想の進展は不可欠です。令和3年度のひとり1台のタブレット端末の活用の実績を土台にしてその先へと、よりICTを活用した教育を進めてまいります。
今、学校教育が抱える大きな課題の一つに、教員の働き方改革があります。これまでの日本の学校教育が、子供たちのためであればと勤務時間を度外視して頑張る教師の献身的な努力で支えられてきた面があるとはいえ、働き方改革は喫緊の課題です。教員の皆さんが健康的で気持ちよく働ける学校づくりのために、働き方改革に取り組んでまいります。
また人生100年時代を迎え、生涯学習、社会教育、文化振興、文化財保護・町史編さん、社会体育などそれぞれが益々の充実を求められています。令和2年度に引き続き昨年度も新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために、多くのイベントを伴う事業が中止や規模の縮小を余儀なくされました。本格的な解決までにはまだ相当の時間がかかると思いますが、感染の状況を見ながらコロナ禍において対策をとりつつ事業を進めていくとともに、新しい発想をもって所期の目的を達成してまいりたいと存じます。そして、町民の皆様が生涯にわたりいつでも自由に学習機会を選択して学習することができる生涯学習社会の構築と各世代にわたる社会教育事業の充実を図ってまいります。
むすびに、新型コロナウイルス感染症の収束を心から願うとともに、町民の皆様には本教育委員会の教育行政にご理解とご協力をお願い申し上げあいさつといたします。
電話番号 | 048-991-1807 |
---|---|
FAX | 048-991-1902 |